札幌市西区平和にある歯科・歯医者 平和歯科クリニック
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2017.10.01
禁煙のすすめ

みなさん、こんにちは。平和歯科クリニック歯科医師の似鳥(にとり)です。

 

本日のテーマは『禁煙のすすめ』です。

 

一昔前は、飛行機・バス・電車などの公共交通機関や映画館など、

今では考えられないような場所でも喫煙は当たり前でした。

 

受動喫煙問題が顕在化するにつれ、喫煙者はどんどん肩身が狭くなっていることでしょう。

 

そんな世情を背景にして、

「今さら”禁煙のすすめ”なんて、言われなくともやめた方がいいのはわかってるよ!」

とお思いかもしれません。

 

しかし!

お口の中の健康を語るに当たって、喫煙問題は避けては通れないのです!!

 

余計なおせっかいかもしれませんが、お付き合いください。

 

まずは全身への影響から……

 

 

 

少し古いデータを引っ張り出してきていますので、最新の調査とは若干異なるかもしれません。

 

上図の通り、喫煙と受動喫煙による健康被害は深刻です。

すでに1997年WHOによって、

”先進国の病気と死亡の最大の原因はタバコである”

と報告されています。

 

各種のがん、心臓疾患、脳血管障害をはじめ、糖尿病、骨粗しょう症、

歯周病、歯の喪失、

低体重児出産など、あらゆる面でタバコを吸わない人の数倍の発症率です。

 

 

< 受動喫煙の害 >

 

喫煙者の周囲の人たちは、タバコから出る副流煙を吸うことになります。

 

副流煙は、直接タバコを吸っている人が吸う煙より有害物質が多く、

健康への害もより大きくなります。

 

 

また、胎児や乳幼児など、無抵抗な子どもへの被害はより大きなものになります。

 

上図データも、かなり古いもので申し訳ありませんが、

ともかく、近しい人への悪影響は確実に存在するということです。

 

 

< 歯周病とタバコの関係 >

 

お口への影響に関して言えば、

上記にも挙げたように、喫煙は歯周病のリスクを高めることになります。

 

喫煙者は、口臭やヤニによる着色だけでなく、歯周病にかかりやすく、

また重症化しやすいため、治療しても治りにくいことがわかっています。

 

ある統計データによると、喫煙者は非喫煙者と比較して、

歯周病にかかる危険は、1日10本以上喫煙すると5.4倍、

10年以上吸っていると4.3倍に上昇するとされています。

 

 

タバコを吸っていると、煙に含まれる一酸化炭素が組織への酸素供給を妨げ、

ニコチンが血管を縮ませるので、血流が悪くなります。

 

その結果、お口の粘膜が酸欠・栄養不足状態になり、

歯周病になった場合でも、歯肉の腫れや出血が見た目上は抑えられてしまいます。

そのため、ご自身では歯周病が進んでいることに気づきにくくなります。

 

また、ニコチンは免疫機能も狂わせるため、さまざまな病原菌に対する抵抗力が落ちたり、

アレルギーが出やすくなります。

さらに、傷を治そうとする組織の働きまで抑えてしまうので、非常に治りにくくなります。

 

歯周病が進みやすい上に発見しづらく、さらに治りも悪いので、

治療を始める頃には取り返しのつかないことになっていることも……

 

 

喫煙は、まさに「歯医者泣かせ」なわけです。

 

 

しかし、禁煙することで確実にこの危険性が下がっていくことも、研究の結果わかっています。

歯周病にかかりやすさは4割低減し、

肺がんにかかる危険は、喫煙者では非喫煙者の4.5倍ですが、

禁煙によって4年で2.0倍、5年で1.6倍、10年で1.4倍と着実に落ち着いてきます。

 

 

 

喫煙による体への悪影響は、様々なところで見聞きする機会も多いと思いますが、

そんな悪影響を重々知りながら、医師・歯科医師でさえも喫煙者は一定数存在します。

 

嗜好品を断つ、というのはなかなか難しいことかもしれませんが、

いま一度、考えてみていただけるとよいかと思います。

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