札幌市西区平和にある歯科・歯医者　平和歯科クリニック
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みなさん、こんにちは。平和歯科クリニック歯科医師の似鳥（にとり）です。

 

本日のテーマは『抜歯が必要なとき』です。

 

極力、歯を抜かない・削らない治療を心がけていても、

将来的なことを考えて、お口の健康を守るためには、

どうしても抜歯をしなければならないや、

早めに抜歯しておいた方がよい場合があります。

 

”抜歯”というと、

「もう治療できなくなった歯を抜く」

と思われる方も多いと思います。

 

我々としても、ついそのような表現をしてしまいがちです。

 

しかし、”抜歯”というのは、

”あくまでも治療の選択肢の一つである”と言えます。

 

上記で”お口の健康”という言い方をしましたが、

我々は厳密にいえば、歯だけを守っているのではありません。

 

”お口”、つまり”口腔領域全体”を健全に保つ、

もしくは改善することで、QOL（Quality Of Life）と呼ばれる、

みなさんの生活の質を向上し、

ひいてはみなさんの幸せに寄与することを目的としています。

 

突き詰めて言えば、一本一本の歯を守ることにつながりますが、

例えば、一本の歯の保存に固執することによって、

周囲の歯の状態を悪くしたり、

お口全体に不利益を被るような場合は、

抜歯を積極的に選択することで、

お口全体の健康を守る、といった場合もあり得ます。

 

消極的な選択であることが多いことも事実ですが、

必ずしも、「もう治療できない」といった諦めの選択ではない、

ということだけご理解いただきたいと思います。

 

 

さて、それでは抜歯しなければならない状態、

とはどんな状態でしょうか？

 

 

□　むし歯が進み過ぎている場合

 

 

 

歯根の先端に病巣ができ、

感染が広がる恐れのある歯や、

根しか残っておらず、

歯髄も死んでしまっているような歯、

とりわけ、歯肉の奥深くまでむし歯が進んでしまっている場合は、

抜歯の適用となることが多いです。

 

 

 

□　歯周病が末期まで進行してしまった歯

 

 

歯を支えている骨が大きく溶けるほど歯周病が進行し、

周囲の健康な歯や歯肉に炎症が広がる恐れがある場合や、

動きが大きく、強い痛みを伴う場合。

 

 

 

□　歯にひびが入り、修復できない歯

 

 

噛む力に耐えることができず、

ひびが入った部分から細菌感染による炎症が進み、

周囲の歯や歯肉に影響を及ぼす原因になる場合。

 

 

 

□　歯肉に埋まっている歯

 

 

歯肉の中に埋まっていたり（埋伏歯）、

中途半端に頭を出したり（半埋伏歯）、

ねじれて生えている（捻転歯）場合。

 

また、上記の歯が原因で、

他の歯の並びに影響を及ぼして咬み合わせを悪くしたり、

清掃しづらかったり、清掃不可能だったりする場合は、

抜歯することで周囲の歯が守られるケースもあります。

 

 

 

□　生え変わりのジャマをしている乳歯

 

乳歯は、出てこようとする永久歯に押されて、

歯根が少しずつ吸収し、支えが短くなることで

動き始め、最終的には抜けてしまいますが、

この歯根の吸収がうまくいかなかったり、

永久歯の出てくる向きが通常と違っていたりすると、

交換時期になってもなかなか乳歯が抜けず、

永久歯が生えてくるのにジャマになることがあります。

 

 

 

□　矯正治療のため

 

歯の大きさと比較して顎の大きさが小さい場合、

特定の歯を戦略的に抜歯して、

そのスペースを利用して歯並びを整えることで、

適切な咬み合わせを誘導することがあります。